裡をみる

「技術を追って心を見失えば、それは整体ではなくなる。」

 

顔をみて、目をみれば相手の大体の気質はわかります。

相手の裡なる心をみる訳ですが、その時に整体での輸気の仕方も変えるべきです。変えるというよりも自然と変わります。

 

整体の基本は輸気です。しかし輸気を完全に勘違いしている人がほとんどであると感じています。

 

指で強く押したり、グリグリするのは下手くそがする輸気であり、

手でそっと触れてなるべく力を入れないのが上手い輸気であると思っている整体師が大勢おります。

 

時には飛び上がるくらい痛い輸気もありますが、それが何なのか解らない。それがわからないのは最初から自分が上だと思いあがっている技術だけを追う整体師です。

 

ジーッと時間をかけて無心で押さえてみても裡をみていない内は気は通りません。

 

整体をする側の性格によるものなので、よほどの大きな出来事がないかぎり裡をみることは不可能であろうと思います。稽古・練習を何十年も続けたといってもできない人の方が多いのではないでしょうか。

 

整体を頭で考えられて賢ければ、うわべだけは十分通用しますが本当に相手の手助けができるのかといえばそうではありません。心を無視した輸気なんてものはマッサージチェアの方がよっぽどマシです。

 

そうゆう私も心が切り替わっていない時もあり、症状から相手に入っていくとよく間違いを犯してしまいます。

普段から整体操法専門ならばそんな間違いはしませんが、矯正ばかりをしていると関節の調整に頭がいってしまい、施術が終わってから、

あれっ?となってしまうんですね。後であ~っそうだった~と・・・

 

それは輸気をつかわなくても他の手技でも症状の改善はできるということの裏返しなので、施術にはこだわりを持たずに色々なやり方で対応できるのが相手にとって好ましく柔軟的であると思います。